小生の中での日本三大博物館は、一つは目黒の寄生虫博物館、二つ目は松江市美保関町の隕石博物館メティオプラザだ。何ゆえかについての説明はまたの機会とするが、それらに並ぶ第三の博物館としてグンと頭をもたげたのが、いわき市のみろく沢炭鉱博物館だ。
そこにはこれまで二度訪れているが、いずれも飛び回る中での訪問のため、ゆっくり過ごしたことはない。毎回、博物館の館長の説明を途中で遮り立ち去っていただけに誠に申し訳なく思っていた。
その日は内郷まちづくり市民会議の皆さんが「片寄平蔵物語」の上演場所にそこを選んでいただいたため、ゆっくり時間がとれる。
私の中でいわき一押しの上演会場、出発前から広島の人に売り込んでいた。しかし皆に受け入れられるかどうか不安がなかったわけではない。一抹の不安を抱えながら住之江旅館の旦那さんが運転するマイクロバスに乗った西南ロータリー一行をレンタカーでおった。
そんな不安もつくや否や吹っ飛んだ。
広島20名、内郷まちづくりのもてなし隊を始め福島の皆さんも同じぐらいおられた。いつになく熱気を帯びるみろく沢博物館。館長のテンションもマックスに達したのだろう。常磐炭鉱とはとの説明から始まり、炭鉱跡の説明等など力が入る。
話だけではない。みろく沢で取れた石炭に火をつけ燃やして見せる。石炭の燃える臭いに臨場感は一気に高まる。ほるるにはマネのできない演出だろう。
その後、トロッコのデモ走行、館長手作り感が皆を楽しませる。その後は石炭で沸かしたコーヒーと片寄平蔵饅頭を頂戴し、いよいよ本館での紙芝居の上演会となった。
演じるのは内郷まちづくり市民会議の皆さん、いわき一広島の紙芝居を活用していると自負されるだけあって演技も素晴らしい。
館長の想い一杯の説明、まちづくり市民会議の人々のおもてなし、トロッコの実演に紙芝居と、そこでの1時間半はあっという間に過ぎ去っていた。
これぞ体験型観光の真骨頂、D・Cふくしまデモツアーはこれ以上ないと思えるほど、素晴らしいスタートを切ったのである。